手放しで絶賛の解説と、批判だらけの解説、あなたはどちらが好みですか?僕は絶賛の方が好きです。なぜならその方がその曲の新しい一面を発見しやすかったり、「このCDを買ってよかった」と思えるからです。
このブログを書くにあたって、色々な本やCDの解説を読んでいますが、批判の部分はなるべく読まないようにしています。
ピアノ・ソナタ第12番の解説を読んでいると、「第4楽章は密度が薄く、釣り合いがとれていない。この楽章がなければもっと演奏される機会が増えただろう」と評価した人がいました。そういう解説を書く人たちは解説の仕事を何だと思っているのでしょうか。
これが学術書やエッセイならば何も問題はありません。個人の研究の成果や、その人の感じ方を思う存分書いてくれれば良いと思います。しかし、CDに添付されている解説にこのようなことが書かれていて、喜ぶ人間がいるのでしょうか?僕には「あなたが買ったこのCDに収録されている曲は欠陥商品ですよ」と言われているような気がするのです。そうでなければ、「素人のあなた方にはわからないだろうけど、専門家の見方は違うんだよ」と高所から見下されている、という感じでしょうか。
僕は芸術性やピアニスティックな評価の上下はほとんどわかりません。第4楽章がいかに批判されていても、僕にとって耳に心地いい音楽である以上、僕にとっては良い音楽です。ですから、僕なりにこの音楽の聴き所を紹介したいと思います。
ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26 「葬送」
Total Play Time…バックハウス新盤 17:47 /グルダ盤 18:58
第1楽章…バックハウス新盤 7:03 /グルダ盤 6:51
聴けば聴くほど味が出る変奏曲です。華麗な第1変奏、飛び跳ねるような第2変奏、悲しさを秘めた第3変奏、繊細な第4変奏、優雅な第5変奏。どれも主題を見失うことなく、変奏の楽しさ満載です。
第2楽章…バックハウス新盤 2:38 /グルダ盤 2:26
軽快なテンポと圧倒的な迫力のスケルツォ楽章です。中間と最後に現れるクライマックスに向かって盛り上がっていくメロディが大好きです。
第3楽章…バックハウス新盤 5:12 /グルダ盤 7:04
通称の由来となっている葬送行進曲です。故人を偲ぶ悲しみが段々と強くなっていく前半部分、故人が天に召される様子が描かれているかのような中間部分、再び襲ってくる悲しみを乗り越えていく後半部分。ただ悲しいだけではない葬送の様子が描かれています。
第4楽章…バックハウス新盤 2:43 /グルダ盤 2:27
判官贔屓の対象となっている、第4楽章です。葬式が終わった後に振ってくる激しい雨のようなメロディ。悲しんでいる人たちへの追い討ちをかけるつもりなのか、悲しみを洗い流そうとしてくれるのか…。残された人々はそれでも生きていかなければならない、というメッセージにも聴こえます。
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- 2007/01/21(日) 21:53:44|
- ベートーヴェン
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僕は昔、みそラーメンが苦手でした。今では好物の一つです。
僕は昔、刺身が苦手でした。今では好物の一つです。
僕は昔、大根が苦手でした。今では好物の一つです。
大人になると味覚が変わると言いますが、本当だったんですね。なぜ昔苦手だったのかと聞かれても「おいしいと思わなかったから」としか言いようがありません。そして、なぜ好物になったのかと聞かれても、これも「おいしいと思うから」としか言いようがありません。
そして、僕は昔ブラームスの交響曲第3番が苦手でした。今では大好きな曲の一つです。ブラームスの交響曲は全体的にそのような傾向があるようですね。「昔は苦手だったけど今は大好き」とか「若い頃は全然わからなかったけど、段々わかるようになってきた」という意見をよく効きます。わかりやすい旋律が中心なのは第2番くらいでしょうか。
一般的にはブラームスの交響曲は第1番、第4番が人気が高いようです。でも、僕の中で好きな順に並べると第2番、第3番、第1番、第4番の順になります。なぜと聞かれても「好きだから」としか答えようがありません…。
ブラームスの交響曲第3番は一部で「ブラームスの『英雄』交響曲」といわれていますが、僕の印象を一言で言うと「平安と憂鬱、苦悩と安らぎ」の交響曲です。
全楽章に渡って優しいメロディと何か悲しみを込めたメロディが交互に現れます。特に第4楽章クライマックスの切ないメロディは最高です。辛い、苦しい、でも幸せになりたい。この苦しみを乗り越えればきっと良いことが待っている…そんなメッセージがこもっている気がします。元気な時に聴くよりも何か辛いことがあったときに「それでも頑張ってみるか」という気持ちにさせてくれます。
ブラームスの第3番のように、僕が今も苦手なアルコールがいつか好物になる日が来るのでしょうか…?
それはともかく、推薦CDはやはりジュリーニ&ウィーン・フィル盤です。残念ながら第3番は廉価版が発売になっていないので、僕が持っている全集を紹介しておきます。ジュリーニは確かにスローテンポですが、それだけに聞くたびに新しい発見があってうれしくなります。
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- 2007/01/17(水) 20:37:09|
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ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲紹介もようやく3分の1を越えました。3回目くらいで投げ出したくなっていたのが遠い昔のようです。
第9回でベートーヴェンのピアノ・ソナタは「新約聖書」と呼ばれている、と書きましたが、一体どのくらいのピアニストが全曲を録音しているのでしょうか。現在、
注文可能な全集(注文後品切れの可能性もあるので…)をAmazonとHMVから「ベートーヴェン」「ピアノ・ソナタ」「全集」で抜き出してみた結果、合計25種類。検索にかからなかったものや、廃盤になったものも含めると、恐ろしい数になることでしょう。
ちなみに、その25種類を挙げると…
Amazonで注文可能(10種類、全てAmazonの商品紹介ページへのリンクです)
バックハウス旧盤、
バックハウス新盤、
ケンプ、
グード、
アシュケナージ、
ブーフビンダー、
園田高弘、
ブレンデル(1960年代録音・分売)、
仲道郁代(分売)、
迫昭嘉(分売)HMVで注文可能(17種類、バックハウスはおそらくAmazonと同録音。全てHMVの商品紹介ページへのリンクです)
バックハウス新盤、
バックハウス旧盤、
グルダ(1967年録音)、
グルダ(1950-1958年録音)、
ブレンデル(1992-1995年録音)、
マリア・グリンベルク、
ハイドシェック、
チッコリーニ、
アンネ・エランド、
シュナーベル、
ポミエ、
アニー・フィッシャー、
アルフレッド・パール、
ディノ・チアーニ、
タチアーナ・ニコラーエワ、
レヴィナス、
アンドラーシュ・シフ(分売)これだけあるのにバックハウス以外はかぶっていないのが恐ろしいですね。
バックハウス旧盤、ケンプ、アシュケナージ、ポミエあたりは廃盤になる前に手に入れたいのですが、いったいいくらかかることやら…
この一覧を作っている最中にうれしい情報を見つけました。僕の大好きな
ギレリスの第29番「ハンマークラヴィーア」、第30番が今年2月に廉価版1,000円で発売されるようです。このペースで録音がされている残りの20曲も発売してくれることを願っています。でも、全部を買うなると
ピアノ・ソナタ集が買える値段になりそうで、どちらを買うか非常に迷っているところではあるのですが…
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 Op.22 「大ソナタ」
Total Play Time…バックハウス新盤 : / グルダ盤 20:43
第1楽章…バックハウス新盤 : /グルダ盤 6:50
非常に軽快に始まる第1楽章。僕が好きなのは中盤を過ぎたあたりの低音がひたすら続く部分からです。エネルギーを溜めて溜めて溜めて、その後に冒頭のメロディが再び流れてから一気に駆け抜ける感じがたまらなく好きです。
第2楽章…バックハウス新盤 : /グルダ盤 5:38
優雅な緩徐楽章です。麗らかな午後の日差しの中で思い出に浸っているような感じでしょうか。スローペースで一貫しています。
第3楽章…バックハウス新盤 : /グルダ盤 3:05
全体的には軽やかなメロディの楽章ですが、低音と高音の対話がいかにもベートーヴェンのピアノ・ソナタらしい楽章です。最後があっさり終わってしまうのが、僕にはちょっとだけ物足りないですね。
第4楽章…バックハウス新盤 : /グルダ盤 5:00
これ分散和音(だと思います…ちがっていたらごめんなさい)をうまく使ってメロディが組み立てられています。左手が疾走するように速いテンポでリズムを刻みつける中で、右手が高音で高らかに歌う…僕がベートーヴェン的だなと思うメロディの典型です。
久しぶりにベートーヴェンらしいピアノ・ソナタを聴いたという印象を持った曲です。この曲の通称が「大ソナタ」ではなく、「悲愴」「月光」「熱情」のような熟語でつけられていたら、もっと有名な曲になったのではないでしょうか。
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- 2007/01/14(日) 10:23:55|
- ベートーヴェン
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元旦の「
ペール・ギュント」の際に予告した通り、今日はグリーグのピアノ協奏曲のご紹介です。
誰もが聞き覚えのあるクラシック曲を挙げろといわれれば、あなたなら何を挙げますか?もちろん、全曲ではなく、ワン・フレーズの話です。
ヴィヴァルディなら「四季」の「春」
ハイドンなら「
驚愕」の第2楽章
モーツァルトなら交響曲第25番や、トルコ行進曲、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
ベートーヴェンなら「
運命」の第1楽章、
第九の第4楽章
ワーグナーなら「ワルキューレの騎行」
チャイコフスキーなら「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」
ドヴォルザークなら「
新世界より」の第2楽章、第4楽章
他にも「ウィリアム・テル」序曲や「ツィゴイネルワイゼン」など挙げたい曲はいっぱいありますが、キリが無いですね…
今年はグリーグ没後100年のグリーグ・イヤーですので、ぜひあなたの有名クラシック曲のリストにグリーグのピアノ協奏曲を付け加えてください。
第1楽章はサスペンスドラマのBGMのように何かが起こる予感を感じさせる非常に有名なイントロから始まります。誰もが聞き覚えのあるメロディです。悲劇的な予兆から始まりますが、途中でノルウェーの壮大な自然を感じさせるような雄大な音楽へと移っていきます。
第2楽章は一転、落ち着いたメロディが静かに流れます。最初の3分の1はピアノは全く登場しません。中盤でピアノが登場すると今度はピアノの独壇場です。落ち着いた伴奏の中でピアノが美しい音色を奏でます。そして最後の3分の1はピアノとオーケストラが一体となって、とても安らかな、心地よい音楽が流れます。
続く第3楽章は舞曲風のメロディが中心です。オーケストラが勢いを取り戻し、圧倒的な迫力で演奏する中で、ピアノが疾走します。踊り狂うかのように凄まじい勢いでメロディが流れたかと思えば、安らかなメロディへ。そしてまた狂乱のメロディへ…。飽きる間もなく音楽が展開されていきます。
グリーグがピアノ協奏曲をこの1曲しか作らなかったのが残念でなりません。ひょっとしたら、この1曲に持てるものを全てつぎ込んだのかもしれませんが…
推薦CDはリヒテル、マタチッチ&モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団盤です。リヒテルは僕の大好きなギレリスのライバルといわれたピアニストで、モスクワ音楽院の教授をして、「リヒテルには何も教えることがなかった」と言わしめたというエピソードがあるほどの偉大なピアニストです。繊細かつ大胆なピアノを堪能できる1枚です。
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- 2007/01/09(火) 23:24:22|
- グリーグ
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年をまたぎながらもなんとか続いています、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲紹介第10回、第10番の紹介です
このブログでも何度かピアノはベートーヴェンの頃に発達した楽器だと書いてきましたが、実際のところどんなものなのか気になって調べてみました。
ピアノ登場以前の鍵盤楽器というとチェンバロとクラヴィコードですが、チェンバロは音の強弱をつけることができず、クラヴィコードは十分な音量を出すことができなかったそうです。
そこで両者の長所を併せ持つ楽器、つまりピアノの前身となる楽器が1700年頃登場します。ご存知の方も多いと思いますが、ピアノの正式名称はピアノフォルテ、弱い音(ピアノ)から強い音(フォルテ)まで自在に演奏することができる楽器という意味です。もっとも、これは前身ができただけで、現在我々が思い描くピアノとはまったく別物のようです。改良に改良を重ねて、ピアノが楽器として十分に使えるようになったのが18世紀後半、モーツァルトの時代です。それでも鍵盤数は60鍵程度でした。
それが1800年頃には68鍵になり、1820年頃には78鍵になり…おわかりになりましたか?
1800年というとピアノ・ソナタ第8番「悲愴」(1799年出版)が完成して間もない頃。交響曲第1番が初演される完成した年です。
1820年というと最後のピアノ・ソナタ第30番〜第32番(1822年出版)を作曲している頃です。最後の交響曲第九(1824年初演)まで残り4年というところですね。
ベートーヴェンの作曲家としての成長とピアノが著しく進化した時期はぴったり一致しているのです。やはりピアノというのはベートーヴェンのためにあった楽器…というのは言いすぎでしょうか…?
しかし、そんなベートーヴェンのピアノ・ソナタにもイマイチ魅力がわかりづらい曲があるわけで…第10番のご紹介です…
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第10番 ト長調 Op.14-2
Total Play Time…バックハウス新盤 13:50 /グルダ盤 14:41
第1楽章…バックハウス新盤 4:53 /グルダ盤 7:00
この曲を曲名を伏せて聴いたら、一体何人の人がベートーヴェンの曲だと当てられるでしょうか…繊細にして、華麗。優しくも派手な指使いが特徴的です。難しいことを考えずに音楽を聴くのが好きなだけで、音楽理論も何も知らない僕は多分、ショパンと答えていたでしょう。ベートーヴェン好きにもショパン好きにも怒られそうですが、それくらい技巧的な楽章です。
第2楽章…バックハウス新盤 5:28 /グルダ盤 4:52
この曲のイントロを曲名を伏せて聴いたら、一体何人の人がベートーヴェンの曲だと当てられるでしょうか…第1楽章とは逆に非常にシンプルな、素人でも弾けそうなメロディから始まります。一体どうしちゃったんだろう、と第1楽章との落差に驚きながら聴いていると、実はこれ、変奏曲だったんですね。単調なリズムがいつのまにか華麗なリズムに変化していきます。ただ…正直僕には聴き所がよくわかりません…
第3楽章…バックハウス新盤 3:14 /グルダ盤 2:50
最後は再び技巧的な楽章へ。両手を激しく使い、いくつかのメロディを慌しく奏でて終了です。冒頭のメロディは何度か繰り返されますが、全体としてはまとまりなく終わっているような気がするのは僕の聴きこみが足りないせいでしょうか。
正直に言うと、これまで紹介してきた10曲の中で一番聴き応えのない曲に思えます…。どなたか、この曲の魅力を教えてもらえませんか…?
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- 2007/01/06(土) 21:54:18|
- ベートーヴェン
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前回、2007年がメモリアル・イヤーとなる作曲家としてグリーグを紹介しましたが、もう一人忘れてはならない人物がいます。それはジャン・シベリウス(1865-1957)です。今年、2007年はシベリウスの没後50年にあたります。
シベリウスはフィンランドの作曲家で、グリーグと並んで北欧の大作曲家として知られています。作曲した交響曲は7曲にのぼり、専門家の中にはベートーヴェン以来の交響曲の大家と言っている人までいます。曲の質の上下は僕にはよくわかりませんが、第7番以上のを作った作曲家は、ベートーヴェン以降では数えるほどしかいません。一般的に認められているのは、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザーク、マーラー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチくらいです。(チャイコフスキーのように、番号無しの曲も入れると7曲になる作曲家もいますが、キリが無いのでやめておきます)
シベリウスの交響曲の印象をいくつか挙げると、雄大で、攻撃的で、難解。もちろん僕個人の意見です。よく耳にする聞き覚えのあるフレーズが、実はシベリウスの曲だった…なんてことはあまりないのではないでしょうか。僕自身はマーラー、ブルックナーと並んで現在勉強中の作曲家の一人です。
この3人の中ではシベリウスの曲は結構好きで、それなりに楽しんでいるつもりですが、第4番、第7番はまだまだどこが聴き所なのか掴んでいません。特に第4番は某巨大掲示板でも難解との意見をよく見かけます。シベリウスとは今年一年かけて、じっくりと向き合ってみるつもりです。
さて、本日の曲紹介ですが、シベリウスの交響曲の中でも最も人気が高い交響曲第2番です。
第1楽章は静かな森の情景を描くかのような静かな序奏から入っていきます。木管が鳥のさえずりのようです。全く平和な、穏やかな空間。しかし、時々不吉な、重苦しい空気が流れていく様子が描かれています。一説にはフィンランドの人々の生活を描いたという解釈もあります。
第2楽章は壮大で優雅な第1楽章と比べるとあまりにも暗い音楽から始まります。前半〜中盤はこの暗さがひたすら展開されます。後半でやや落ち着いたメロディも流れますが、全体的な不安な感じは拭えないままです。ここも一説にはフィンランドの人々の抑圧された様子を描いたという解釈もあります。
第3楽章はシベリウスの攻撃性全開です。弦楽器から始まるファンファーレのようなメロディが僕のお気に入りです。中盤ではそれまでの攻撃的な音楽が嘘のように静かで穏やかなメロディが流れます。しかし、その一時の休息もまた攻撃的なファンファーレによって終息を迎えます。再び穏やかなメロディが流れると、切れ目なくクライマックスの第4楽章へと続いていきます。CDのディスプレイを見ていないとどこで切り替わったのかわからないままです(苦笑)
第4楽章、おそらくシベリウスの曲で唯一の有名な部分です。全楽器による壮大で美しいメロディを聴いていると、僕はいつも高い山の頂上から雄大な自然を眺めているような気分になります。一部の専門家が交響曲第2番は、第3・第4楽章がイマイチと評しているのを見たことがありますが、僕には音楽的な難しいことはわかりません。聴いていて格好良い第3楽章、心地良い第4楽章が大好きです。
推薦CDですが、今日はコリン・デイヴィス&ボストン交響楽団盤を挙げておきます。コリン・デイヴィスの指揮の印象は中庸。奇抜なことは一切やらず、楽譜の指示どおりに曲を演奏しているように聴こえます。それが退屈にならずに、むしろ「これこそがスタンダードな演奏だ」という安心感を与えてくれるあたりがコリン・デイヴィスの持ち味です。現役の巨匠の一人と言っていいと思います。もちろん、これも僕の偏見ですが。
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- 2007/01/03(水) 19:49:56|
- シベリウス
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去年はモーツァルト生誕250年、ショスタコーヴィチ生誕100年のメモリアル・イヤーでした。NHKを中心にモーツァルトが大量に演奏されていましたし、僕もついにショスタコーヴィチの交響曲全集を購入してしまいました。シューマンの没後150年は陰に隠れた形でしたが…
では、2007年がメモリアル・イヤーとなる作曲家はいないのか…と思って探してみたらいました。グリーグが。
グリーグは1843年ノルウェーに生まれ、1907年没。今年2007年はちょうどグリーグの没後100年にあたります。グリーグの代表作と言えば、何と言っても「ペール・ギュント」組曲とピアノ協奏曲でしょう。ピアノ協奏曲も大好きな曲なのですが、こちらは後日紹介する予定です。
僕が「ペール・ギュント」組曲を聴いたときに最初に思ったことは、「あれ、これどこかで聴いたことあるぞ!?」でした。第1組曲・第1曲の「朝」のメロディは誰もが聞き覚えがあるのではないでしょうか。テレビでCMやBGMとしてよく流れている曲です。しかし、第2曲、第3曲と続けて聴いていてもやっぱりどこかで聞き覚えがあるのです。その疑問は第1組曲・第4曲「山の魔王の宮殿にて」で氷解しました。「小学校の時、音楽の時間に聞いた!」と。
音楽の教科書には簡単なストーリー紹介と挿絵が載っていたのですが、全然理解できませんでした。それもそのはず、ストーリーの順と曲順は関係ないからです。ストーリー順に並べると、以下の通りになります。
第2組曲・第1曲「イングリッドの嘆き」
別の男性と結婚しようとしていたイングリッドをペール・ギュントが強奪。イングリッドの悲しみの歌が流れる。ヒステリックなイントロに続き、イングリッドの悲しむ様子が切ないメロディで語られます。
第1組曲・第4曲「山の魔王の宮殿にて」
冒険を求めるうちに魔王の山に入ったペール・ギュントが魔物に囲まれる。不気味さといい、徐々に音量が大きく、テンポが速くなっていくところといい、そのままゲームのBGMに使えそうな曲です。
第1組曲・第2曲「オーゼの死」
しばらくぶりに実家に戻ったペール・ギュントは母と再会。母はペールギュントと話しながら息を引き取る。穏やかで、悲壮感たっぷりの曲です。
第1組曲・第1曲「朝」
ペール・ギュントがアフリカに行き、新たな人生を始める。爽やかにして、壮大。ペール・ギュント組曲の中でも一番有名な曲だと思います。
第2組曲・第2曲「アラビアの踊り」
ペール・ギュントを迎えたアラビアの部族の娘たちが歓迎の踊りを始める。アラビア情緒たっぷりのにぎやかな曲です。
第1組曲・第3曲「アニトラの踊り」
アラビアの砂漠で踊る少女たち、特に族長の娘アニトラに見惚れる。民族的ながらも情熱的な求愛の曲といったところでしょうか。
第2組曲・第4曲「ソルヴェイグの歌」
故郷に残してきた恋人ソルヴェイグの夢を見る。ソルヴェイグは白髪になりながらもペール・ギュントの帰りを待っていた。悲しく切ない音楽です。絶望、希望、愛、複雑な感情が入り組んでいます。
第2組曲・第3曲「ペール・ギュントの帰郷」
冒険の末にカリフォルニアで金鉱を掘り当てたペール・ギュントは帰郷を決断。しかし、途中で嵐に遭い、難破してしまう。自信に満ちた、堂々としたメロディから始まります。しかし、途中から不気味なメロディが流れてきて、いつのまにか嵐に巻き込まれて…最後には全てを失った様子が表されます。
う〜ん、ペール・ギュント…僕は友達になりたくない、むしろ友達になれないタイプの人のようですね…
それはともかく、これからグリーグを聴いてみようかなという人にはユニバーサルから発売されている2枚組の作品集がお薦めです。1500円という安価ながら、ギレリス、カラヤン、コリン・デイヴィスら一流の演奏家による抜群の演奏です。グリーグに限らず、何を買っていいのかわからないときは
DGのパノラマシリーズをとりあえず1つ手にとって、作品や演奏家を選んでいくのも良い選択肢だと思いますよ。
テーマ:クラシック - ジャンル:音楽
- 2007/01/01(月) 14:36:47|
- グリーグ
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