「好きな作曲家はだれ?」と聞かれたら、一番は迷わずベートーヴェンと答えます。「他には?」と聞かれたら…三人挙げるならプラスしてブラームスとドヴォルザークですね。五人まで挙げて良いなら…かなり迷った末にチャイコフスキーとメンデルスゾーンが追加されます。
メンデルスゾーンは、僕の中ではいまいちメジャーになりきれない印象が強いのですが、クラシック音楽界において欠かせない存在の一人です。
なぜなら、
シューマンのアラベスクのときにも少しだけ触れましたが、メンデルスゾーンがいなかったら僕たちはバッハやベートーヴェンの名曲が聞けなかった可能性が高いからです。
メンデルスゾーンの作曲以外での功績の一番はJ.S.バッハの「マタイ受難曲」の復活公演を成功させ、ヨーロッパ中にヨハン・セバスチャン・バッハ(以下、J.S.バッハ)の名前を知らしめたことでしょう。
当時、J.S.バッハの作品は「平均率クラヴィーア曲集」等の一部の作品を除いてほとんど知られていなかったそうです。J.S.バッハ自身は、作品を発表する気がなかったのか、発表する機会に恵まれなかったのか、私的に作曲し演奏するに留めていたそうです。メンデルスゾーンの時代にはJ.S.バッハは単に「音楽の名門バッハ一族」の一員に過ぎなかったようです。
極論すれば、メンデルスゾーンの存在がなければ過去の偉大なる作品を演奏するというクラシック音楽という分類は存在していなかったのかもしれません。
そしてもう一つの功績は指揮法を確立したことです。今でこそ僕たちは「フルトヴェングラーの演奏が最高だ」「いやカラヤンを忘れてはいけない」「いやいやクレンペラーこそが最高の指揮者だ」「おいおい、亡くなった人間ばっかりじゃないか。デイヴィスこそが…」といった議論ができます。(僕にとってのナンバーワンは圧倒的にジュリーニですが)
これもメンデルスゾーンが指揮者という存在を不動のものにしたからと言っても過言ではないと思います。過去の名曲を発掘する探検者として、そして演奏者のレベルを引き上げる指導者として、指揮者という職業がこの世に出てきたことは何と素晴らしいことでしょうか。
さて、そのメンデルスゾーンの曲ですが、有名なヴァイオリン協奏曲は後日に譲って、今日は交響曲第4番「イタリア」を取り上げたいと思います。
第1楽章はひたすら明るく、脳天気(失礼)に歌いあげられます。アップテンポの楽しいメロディで、僕は時々仕事中に口ずさんだりしています(苦笑)
第2楽章は一転、憂鬱なもの悲しいメロディです。しかし、ただ低音を強く鳴らすだけの楽章ではなく、しっかりとしたメロディに支えられた美しい曲です。
第3楽章は再び明るい曲調に戻ります。所々で流れるホルンによるファンファーレが僕は大好きです。
第4楽章は冒頭の嵐を思わせるような力強いメロディから始まります。エスニックなアップテンポのメロディが連続し、まるでサスペンス映画のクライマックスを見ているかのような楽章です。
推薦CDですが、クルト・マズア指揮、ゲヴァントハウス管弦楽団のCD以外にはないと思っています。ゲヴァントハウス管弦楽団は1781年に創設され、何とメンデルスゾーン自身が指揮をした輝かしい伝統を持つオーケストラです。マズアの指揮する美しい音楽を聴きながら、音楽の世界ではクラシックにしかありえない「伝統」に酔ってみるのもたまには良いのではないでしょうか。
- 2006/12/14(木) 23:00:00|
- メンデルスゾーン
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